公開日:2023年4月11日 最終更新日:2026年7月17日
人生において「吉を招く(招吉)」ことよりも、実ははるかに重要で確実なのが「凶を避ける(避凶)」ことです。
招吉法は占術の真偽に左右されるハイリスク・ハイリターンの側面がありますが、避凶法は誰でも今すぐ実践でき、確実にマイナスを最小化できる「人生の防衛術」です。
この記事では、盤珪流奇門遁甲の根底にある「避凶の三原理」と、四つの側面からの具体的な実践法、そしてどんな逆境にも動じない最強の開運法である「不動心」について体系的に解説します。
避凶を支える三つの根本原理
なぜ特定の行動を控えることが凶を避けることに繋がるのか。その根底には易経の深い知恵があります。
【原理1】凶は凶を引き寄せる(同声相応じ同気相求む)
「類は友を呼ぶ」の通り、同じ性質のものは引き寄せ合います。凶の波長は、さらなる凶の事
象や凶運の人を呼び寄せます。
【原理2】動かなければ吉凶生ぜず
吉凶は「動き」から生じます。運の悪い時期(停滞期)や凶方位に対して「動かない(自重する)」ことは、災いを発生させない最大の防御です。
【原理3】「初めのとき」が命運を決める
生れた瞬間、出発の瞬間、出会いの瞬間。占術では、物事が始まる「初めてのとき」の波長が、その後の全ての命運を決定づけると考えます。
避凶法:命運編(時期の守り)
運勢のバイオリズムを知り、運が悪い時期に「大きな動き」を止めることが基本です。
【避凶方法(命運)】
「主運を示す命宮」が、年または月で「五黄殺」または「暗剣殺」になる運の悪い時期には、以下のことを新たに始めるのを見送りましょう。
✅長期間続くこと: 転職、結婚目的の出会い など
✅金額が大きいこと: 不動産購入、投資、新規大型取引 など
運が悪い時期にこれらを強行することは、原理1・2・3のすべてに抵触し、長期的な凶を招く原因となります。
※命宮の出し方についてはこちら:
👉 盤珪流で運勢をコントロールする!恋愛・転職・決断を成功させる戦略的アクション
避凶法:方位編(移動の守り)
移動によって受ける「方位の波長」をコントロールします。日盤や時盤よりも、作用が長い年盤・月盤を重視します。
避凶方法:転居(引越し)
年方位、月方位のいずれかで、「五黄殺」または「暗剣殺」の凶方位には転居しないこと。
避凶方法:人・物との関わり
年方位、月方位のいずれかで、五黄殺または暗剣殺の方位にある人や物と「初めて」関わる場合、その相手(物)は凶を帯びています。長期間続く関わりや、高額なやり取りは避けるのが賢明です。
避凶法:対人編(波長の守り)
脳科学でも「運の悪さは移る」と言われます。原理1の通り、凶の波長は伝染(感電)します。
【避凶方法(対人)】
運の悪い人(凶の人)とは、できるだけ関わらないようにすること。
🔍【実例:方位の感電】
かつて吉方位へ向かった飛行機が墜落するという惨劇がありました。調査の結果、乗客の約2/3が「数日前に最悪の凶方位へ出発した団体客」だったことが判明しました。団体客の強烈な凶が、機体全体に「感電」した形です。
反対に、凶方位へ出発した登山家が、現地で吉運を持つ一行と合流したことで難を逃れた例もあります。「誰と関わるか」は避凶において極めて重要です。
避凶法:心編(内面の守り)〜最強の避凶「不動心」とは〜
避凶の極意は、常に「不動心」を保つことにあります。
これは原理1(凶は凶を呼ぶ)と原理2(動けば吉凶が生じる)に基づいています。
どれほど物理的な方位や時期に気をつけていても、日常の理不尽な出来事や不可避の災難によって心が乱れてしまえば、そこから新たな「凶」の悪循環が始まります。
内面を整えることこそが、最も確実で強力な人生の防衛策なのです。
なぜ「不動心」が最強の避凶になるのか(東洋思想の真髄)
心を整えることが運命を変える背景には、明確な占術的・思想的根拠があります。
「動けば吉凶が生じる」|易経の教え
古代中国の哲学書『易経』には、『吉凶悔吝は動に生ずる者なり』(周易繋辞下傳)と記されています。
喜びや期待だけでなく、不安や怒り、焦りといった感情に心が強く動かされる(動心)とき、それが現実世界での失敗やトラブル(凶)を引き寄せます。
逆に、不動心を保ち心が過剰に反応しなければ、吉凶そのものが生まれる隙がありません。
「心が乱れなければ、トラブルは起こらない」|禅宗の核心
禅の教えにも、『一心生ぜざれば、万法咎なし』(臨済録)という言葉があります。
ここでの「一心」とは、執着や欲望、感情的な心の動きを指します。心が乱れなければ、現実世界で何が起きてもそれは問題(咎)とはならず、引きずられることもありません。
「安泰」と「塞がり」を示す易の六十四卦ろくじゅうしか
東洋思想では、上卦を「精神状態(頭)」、下卦を「体の中心(丹田)」に見立てることがあります。このバランスは、心のあり方が運勢に直面する様子を象徴的に表しています。
卦名 心の状態(精神と身体) 運勢の象徴
地天泰ちてんたい
頭は空っぽで執着がなく柔軟に働く(不動心)× 丹田に気が充実して重心が安定している「安泰」「吉」。エネルギーが淀みなく流れ、自然と吉運を引き寄せる状態。
天地否てんちひ
頭が執着や不安でいっぱいになり気が分散(動心)× 腹に力が入らず落ち着きを失っている「塞がり」「凶」。心の動揺によって良いエネルギーが遮断され、停滞やトラブルを招く状態。
※参考記事:
👉 【初心者向け】易占い入門ガイド:易経・六十四卦の基本から実践的な使い方・解釈まで
沢庵和尚が説く「不動智」
禅の高僧・沢庵宗彭和尚は、著書『不動智神妙録』の中で、不動心とは石や木のように感情を無くして固まることではなく、「心は十方八方へ動きたいように動きながら、少しも一箇所にとどまらない(囚われない)自由自在な心」であると説きました。
【状況別】揺らぐ心に「不動心」を取り戻す先人の智慧
日々の生活で心が乱れそうになったとき、進むべき道を照らしてくれる先人たちの羅針盤です。
不安や念が止まらないとき(盤珪禅師)
私たちは不安になると「考えないようにしよう」と抗いますが、盤珪禅師はそれを「血で血を洗う」ようなものだと説きました。洗えば洗うほど、汚れ(不安)は広がります。
『(前略)念は仮想(実体なし)と知って、取らず嫌わず、起こるまま止むままにすべし。』 (盤珪禅師語録)
不安は勝手に湧いてきて、勝手に消える実体のないもの。無理に払おうとせず、そのままにしておくことで、心は自然と本来の平穏(不生)に戻ります。
災難に直面し、絶望を感じたとき(良寛・易経)
江戸時代の禅僧・良寛は、地震の被災者へ宛てた手紙の中でこう記しました。
『災難に遭う時節には災難に遭うがよく候、死ぬ時節には死ぬがよく候、是はこれ災難をのがるる妙法にて候』
「災難に遭うべきときは、ありのままを受け入れる。それが災難の苦しみから逃れる唯一の方法である」という深い受容の教えです。
また易経には『極まれば変ず、変ずれば通ず』とあります。夜明け前が一番暗いように、最悪の状況は変化の前兆でもあります。
執着や欲望に囚われそうなとき(西郷南洲・論語)
方位術を学ぶと、つい「得をしたい」という欲に心が動きがちです。しかし、己を愛する心が強すぎると、かえって運を落とします。
● 『己れを愛するは善からぬことの第一なり』(西郷南洲)
● 『死生は命にあり、富貴は天にあり』(論語)
財産や名誉を得られるかは天の流れにあります。自分の外にあるものを追い求めるのではなく、自分の内側(道)を正すことで、余計な悩みから解放されます。
重責や試練に押し潰されそうなとき(孟子・菜根譚)
大きな責任や困難は、あなたを壊すためのものではなく、天があなたを鍛え上げるためのプロセスです。
● 『天のまさに大任をこの人に降さんとするや、必ずその心志を苦しめ、その筋骨を労せしめ…』(孟子)
● 『ひどい仕打ちや困難は、優れた人物を鍛え上げるための、天から与えられた「金属精錬の設備」のようなものである』(菜根譚)
試練を「自分を磨く磁場」と捉え直すことができれば、その経験は将来の大きな吉へと転換されます。
盤珪禅師が説く「手前さえ、たしかにござれば」
盤珪流奇門遁甲において、最も大切にしている盤珪禅師の教えがあります。
『人よりいかような難題を受けても、手前さえ、たしかにござれば、自然に事が知れてきて済むものなれば、強いてこちらから言い訳するに及ばぬものじゃ』
周囲でどんな雑音や理不尽なトラブルが起きても、自分自身が正しく(たしかに)あれば、いずれ真実は明らかになり、物事は収まるべきところに収まります。
方位という「動き(陽)」の術に対し、不動心という「静(陰)」の精神。
この陰陽が交わることで、初めて方位の功徳が最大限に発揮されます。
何事にも執着せず、物事を正しく捉えることができれば、吉方位がもたらすチャンスを確実に掴み取ることができるのです。
まとめ:静と動のバランスで運命を守る
避凶法は、あなたの先天的な命運を悪化させないための「最高の知恵」です。
✅命運・方位・対人(外側の動): 知ることで物理的に距離を置き、凶の波長を遮断する。
✅不動心(内側の静): 内面を整え、凶の波長を遮断する。
物理的な「動」の対策と、内面の「静」の対策。
この両輪が揃うことで、どのような環境変化やトラブルに直面しても、あなたの人生の土台は揺るぎないものになります。


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