吉方位旅行をする際、日本では年盤や月盤を使って方位の吉凶を判断するのが一般的です。
しかし、日盤は参考程度に扱われ、時盤に至ってはほとんど考慮されていません。
これは、必ずしも理にかなっているとは言えません。
ここでは、なぜ年盤や月盤ではなく、日盤や時盤を使うべきなのか、その理由を解説します。
年月日時の方位盤を決定する方法
方位盤を決定する原理
年盤、月盤、日盤、時盤の4種類の方位盤のうち、どの方位盤が影響を及ぼすかを決定するのは「時間」のズレです。
具体的には、「自宅を出発した時間」と「自宅に戻った時間」の間に非連続性が生じた場合、その非連続性に対応する方位盤が影響します。
そして、方位の影響は、その非連続性のギャップを解消する過程で生じると考えられます。
例を挙げて説明します。
①「甲子日の戊辰時」に自宅を出発し、2日後の「丙寅日の壬辰時」に帰宅した場合、甲子日と丙寅日の間には乙丑日があるため、時間の非連続性が生じます。このため、日盤の方位作用が働きます。
②「甲子日の戊辰時」に出発し、翌日の「乙丑日の庚辰時」に帰宅した場合、甲子日と乙丑日は連続しているため、日盤の方位作用は働きません。この場合、時盤の方位作用が影響することになります。
なお、年盤や月盤に関しては、この場合、非連続性が生じないため、方位の影響はありません。
方位盤の使い分け
以下の通り、自宅を離れる期間によって、使用する方位盤が異なります。
時盤:4時間以上の外出
日盤:2日以上の外出
月盤:2ヶ月以上の外出(通常、転居)
年盤:月盤が適用されない場合:年盤
年盤・月盤の問題点
年盤・月盤が用いられる背景
中国では方位術の代表格は奇門遁甲で、時盤を重視する流派が多いです。
一方、日本では九星気学が最も普及しており、転居や旅行の際に年盤と月盤を使って方位の吉凶を判断します。
そのため、日本では年盤や月盤で方位を判断するのが一般的です。
年盤・月盤の限界
旅行の場合、自宅を離れる期間が数日程度の短期間であるため、前述の通り、年盤や月盤は影響しません。
また、「遠距離の移動には年盤や月盤が関わる」という考え方もありますが、距離と時間は別の次元です。時間に基づいた方位判断が正しいという原則に従うべきです。
実例検証
一般の方位術
誰でも必要データを入手できる客観的な実例をもとに検証します。
九星気学に関しては、事故に関する客観的なデータ(出発日時、方位、有名人被害者や運転手の生年月日など)が揃う実例を見つけることができていません。
奇門遁甲には実例が存在するものの、流派によって吉凶判断が異なるため、統一的な基準が確立していないのが現状です。
独自の奇門遁甲
易卦で判断する独自の盤珪流奇門遁甲による吉凶判断事例を紹介します。
有名な事故で、年盤・月盤が吉方位かつ日盤・時盤が凶方位となっている実例です。
旅行など短期的な移動は、年盤・月盤が関わらない実例です。
まとめ
年盤、月盤、日盤、時盤の4種類の方位盤のうち、どの方位盤が方位作用に関与するかは「時間」によって決まります。
原則として、次の通りになるので
旅行の場合には、時盤または日盤で方位の吉凶判断をすることが重要です。
時盤:4時間以上の外出
日盤:2日以上の外出
月盤:2ヶ月以上の外出(通常、転居)
年盤:月盤が適用されない場合:年盤