あなたは未来を予測する力を持ちたいと思ったことはありませんか?
古代から伝わる知恵、易を使って日常の悩みを解決する方法を知りたくありませんか?
易は難しいと思われがちですが、実は誰でも簡単に学べる方法があります。
ここでは、初心者でもすぐに始められる易の基本をわかりやすく解説します。
易を学ぶことで、あなたの人生に新たな視点と洞察をもたらします。さあ、一緒に易の世界を探求してみましょう!
専門用語の解説
易を学ぶために必要の専門用語を解説します。
爻
爻とは、易の卦を構成する基本的な記号です。
爻は、陰と陽の二種類があります。
陽は、実線「ー」で表し、陽爻と呼びます。
陰は、点線「– –」で表し、陰爻と呼びます。
八卦
八卦とは、三つの爻を組合せてできたものをいい、八卦には次の八種類があります。
天(☰)、沢(☱)、火(☲)、
雷(☳)、風(☴)、水(☵)、
山(☶)、地(☷)
八卦の象意(意味や象徴)は次の通りです。
八卦は「卦名」で呼ぶことが多いです。
天は「乾」、沢は「兌」、火「離」、
雷は「震」、風は「巽」、水は「坎」、
山は「艮」、地は「坤」です。
八卦が表す九宮(九星気学の九星)の象意も必要知識です。
一白水星:水
二黒土星:土
三碧木星:雷
四緑木星:風
六白金星:天
七赤金星:沢
八白土星:山
九紫火星:火
六十四卦
六十四卦とは、二つの八卦を上下に重ねてできる六十四の卦のことです。
上の卦は上卦または下卦と呼びます。下の八卦は下卦または内卦といいます。
六十四卦の六つの爻は、下から順に以下のように呼ばれます。
初爻
二爻
三爻
四爻
五爻
上爻
本卦
本卦とは、占いの際に得られる六十四卦のことを指します。
之卦
本卦を出した後、陰陽を逆に変化させる爻(変爻)を求めます。この変爻によってできる六十四卦を之卦と呼びます。
立卦方法の種類
卦を出すことを立卦といい、本卦、変爻、之卦を出します。
立卦には、有筮立卦と無筮立卦という二つの方法があります。
有筮立卦とは
易占において、筮竹やサイコロ、コイン、カードなどの道具を使用して卦を立てる方法を指します。
この方法は、古典的で伝統的な易占のやり方で、特に筮竹を使う方式が一般的です。
同じことを再度占うと結果が異なるという欠点があります。
日本人にはこの方法を好む人が多いようです。
無筮立卦とは
易占において、筮竹などの道具を使わずに卦を立てる方法を指します。
通常の易占では、筮竹や他の道具を使ってランダムに卦を得ますが、無筮立卦はこれを行わず、特定の法則や考え方に基づいて卦を立てます。
同じ方法で卦を立てれば同じ結果になりますが、立卦の方法が多いため、どの方法を使うかによって結果が異なるという欠点があります。
中国では無筮立卦が一般的で、有筮立卦を行う人はほとんどいないそうです。
有筮立卦の方法
有噬立卦を最も簡単に行う方法は、易用サイコロやイーチンタロットカードです。
正式には、筮竹や算木などの専用道具を使いますが、これらは手間がかかるため、初心者には向いていません。
易用サイコロ
易占いに使うサイコロは、上卦用の黒い八面体サイコロ、下卦用の赤い八面体サイコロ、そして変爻用の六面体サイコロの3つで構成されています。
これらのサイコロを使って卦を立てます。サイコロを3つ同時に振る方法と、1つずつ順番に振る方法があります。
イーチンタロットカード
64枚のカードから1枚を引いて六十四卦を出し、その後、普通のサイコロを一度振って変爻を決めます。
イーチンタロットカードは、六十四卦の内容を示す絵柄が多く、絵柄を見ることである程度正しく解釈できるため、初心者に最もおすすめの方法です。
また、イーチンタロットカードはさまざまな魅力的な絵柄があり、コレクションする楽しみもあります。
無噬立卦の方法
無筮立卦には、主に梅花心易という方法が用いられます。
ここでは、梅花心易のさまざまな手法について解説します。
八卦変換プロセス
卦を立てる際には、、時間(十二支)や方位を八卦に変換する必要があります。
その手順は以下の通りです。
時間の変換
十二支で表される時間を数に変換します。
例えば、午の時間は「7」に対応します。
方位の変換
方位は八卦に対応させます。
例えば、東南の方位は「風」の卦となります。
八卦変換方法
数を8で割り、その余りの数で八卦に変換します。
変爻の求め方
数を6で割って、その余りの数が変爻になります。
梅花心易のさまざまな無筮立卦方法
梅花心易における無筮立卦(むぜいりっけ)の方法は、さまざまなバリエーションがあります。ここでは、具体的な占事を用いて、代表的な方法を解説します。
占 事
2021年(丑年=2)12月26日(旧暦11月23日)の午前10時30分(巳刻=6)
に若い女性が三人、東の方面からやって来たという事象を見て、易を立てる。
新暦(年月日時)
上卦:年支数2+新暦月12+新暦日26=40、40÷8=0余り0、余り0=は8で、八卦は「地」
下卦:40+時支6=46、46÷8=5余り6で、八卦は「水」
変爻:46÷6=7余り4で「4爻変」
本卦:地水師 4爻変
旧暦(年月日時)
上卦:年支数2+旧暦月11+旧暦日23=36、36÷8=4余り4で、八卦は「雷」
下卦:36+時支6=42、42÷8=5余り2で、八卦は「沢」
変爻:42÷6=7余り0、余り0は6で「上爻変」
本卦:雷沢帰妹 上爻変
旧暦は過去、何度も改暦してきています。どの旧暦を用いるかによって結果が異なるという問題があります。
時針分針
上卦:時針の位置は10時で八卦は「風」
下卦:分針の位置は6(30分)で八卦は「水」
変爻:分針の位置は6で変爻は「3爻」
本卦:風水渙 3爻変
占的と方位
上卦:占的は若い女性、その象意を表す八卦は「沢」
下卦:東の八卦は「雷」
変爻:沢の余り数2+雷の余り数4=6、6÷6=0,余り0は6で「上爻」
本卦:沢雷随 上爻変
数えられるものと方位
上卦:若い女性3人、3÷8=0、余り3で、八卦は「火」
下卦:東の八卦は「雷」
変爻:火の余り数3+雷の余り数4=7、7÷6=1,余り1で、「初爻」
本卦:火雷噬嗑 初爻変
数えられるものと時間
時間を使う立卦方法が基本になりますが、実際に立卦をしてデータをとり、どの方法が最も的中するか研究してください。
また解説した方法を応用すれば、別の方法でも立卦できるのでそれも研究してください。
易卦の解釈
易の基礎知識を覚え、立卦することは誰でも簡単にできますが、易卦の解釈となると、多くの人が挫折してしまいます。
易卦の解釈には、一般的に「周易」や「断易(五行易)」が用いられますが、前者は「易経」の解釈が難しく、後者は複雑であるため、満足のいく水準に達するのは難しいのです。
ここでは、数多くの実例データに基づいた、誰でも簡単にできる解釈方法を紹介します。
その方法は、象意から連想する方法と、卦の形から連想する方法の二つです。以下に具体例を挙げて解説します。
象意から連想する方法
ガスの八卦?
- ガスは空気の一種ですので、第一感で風(☴)や天(☰)を連想します。
流れているガスであれば、風(☴)
部屋に充満しているガスであれば、満ちているや充実しているという象意のある天(☰)で見る方がよいでしょう。 - ガスは目に見えないため、暗い(=見えない)という象意のある水(☵)で見る場合もあります。
※火(☲)は明るいという象意ですが、3爻の陰陽をすべて反対にした水(☵)は暗いという象意になります。
火事の象意がある六十四卦は?
- 風火家人(上卦:風 ☴、下卦:火 ☲)があります。
易には「下から上に進む」という鉄則があります。
風(☴)の代表的な象意は「入る」で、一番下の陰爻から何かが入ってくることを意味します。
その「何か」は下卦の火であり、これが火事の象意を持つと考えられます。
この場合、自分が火元というよりは、隣家が火元であることが多いです。 - 火水未済(上卦:火 ☲、下卦:水 ☵)があります。
上卦の火は上に上り、下卦の水は下に下ります。
水が火に届かないため、これは消火活動が難航するような火事の象意を持つと考えられます。
恋愛相談の「沢地萃」
- 沢、地ともに女性の八卦なので、相談者、相手がどちらの八卦か見分ける必要があります。この場合、それぞれの象意から連想して判断します。
- 沢の象意は口なので、おしゃべり(沢には傷の象意もあり、普通は口が悪い)、告白する側、また恋愛上手のタイプとみます。
- 地は、控えめ、地味、相手に従うタイプとみます。
「雷水解」と「水雷屯」
水雷屯
水の象意は「陥る」「悩む」です。 雷の象意は「進む」です。 易は下卦から上卦に進むと考えますが、水雷屯では進む先が「悩む」となります。したがって、「進めば凶」、「進めば困難に陥る」と解釈されます。
雷水解
雷水解は、水雷屯の上卦と下卦が入れ替わっています。 悩む象意の水が下卦にあり、進む象意の雷が上卦にあります。これは悩みを通り過ぎた状態を示しており、「悩みや困難を乗り越える」、「問題を解決する」と解釈されます。
卦の形から連想する方法
自転車の八卦は
- 自転車を横から見ると、下に2つの車輪があるのが特徴的です。
この形から、風(☴)や山(☶)が候補になります。
一番下の陰爻が2つの車輪に見えるからです。
風(☴)は四緑で股の象意があります。
自転車に乗るとき、人は股を動かすので、自転車は基本的に風(☴)と見ます。 - 信号待ちの自転車に後ろから自動車が衝突した場合、その被害を受けた自転車は風(☴)と見るべきでしょうか。
ここでは信号待ちで「止まっている」自転車なので、止まるという象意がある山(☶)と見る方が的中する場合が多いです。
恋愛の「天風姤」
この卦は、初爻が陰爻で、他の爻はすべて陽爻です。
陽爻を男性と見立てると、陰爻は女性を表します。 易は下から上に進むと考えるため、初爻の女性が多くの男性と関わる象意を示しています。
なお、易経には「女壮んなり、もって女を娶るなかれ」と解説されています。
地沢臨
初爻と二爻が陽爻の形で、陽爻が一つ一つ増えていくとみて、次第に発展する、良化するという意になります。
初爻と二爻、三爻と四爻、五爻と上爻を一つの爻にまとめると、大震(雷)の形になります。
雷の象意が強まるので、大きく進む、大きな音がする(評判になる)、大いに驚くといった意になります。
本記事の参考文献です。
1.易経関連~「易」(本田濟著、朝日選書)
2.梅花心易~「訳注 梅花心易」(薮田曜山著、三密堂書店)
3.易全般 ~「易学小筌」(松田定象著、神宮館)、
~「運勢大事典 易占編」(柳下尚範、国書刊行会)
方位鑑定士
盤珪(ばんけい)
プロフィール