易は一般的に「胡散臭い」イメージですが、実際には、準科学と言われノーベル物理学受賞者など科学者が研究する分野です。易は森羅万象を最少の文字数で表せるツールで、「時間や空間に組み込まれている情報」を引き出すのに大いに役立ちます。ここでは、易の占例を解説し、易の妙味を少しでもお伝えできればと考えています。
占事
以前、雪崩が発生し、複数の若い男性が死亡するという痛ましい事故がありました。
立卦
無筮立卦(筮竹など物を使わず占う)にて易と立てると、
「沢山咸 5爻変」
とでました。

爻とは、易の卦を構成する基本記号をいいます。爻は、陰陽二種類があります。
陽は、実線「ー」で表し、陽爻といいます。
陰は、点線「– –」で表し、陰爻といいます。
八卦とは、爻を三つ組合せでできたものをいい、次の八種類あります。
天(☰)、沢(☱)、火(☲)、雷(☳)、風(☴)、水(☵)、山(☶)、地(☷)
六十四卦とは、二つの八卦を上下に重ねてできる六十四の卦をいいます。
上の八卦は上卦または外卦、下の八卦は下卦または内卦といいます。
六十四卦の六つの爻は、下からら順に初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻といいます。
本卦とは、占うにあたって、易を立てて出てきた六十四卦をいいます。
本卦を出したあとに、陰陽逆に変化させる爻(変爻という)を求め、変爻後にできる六十四卦を之卦といいます。
八卦 | ☰ | ☱ | ☲ | ☳ | ☴ | ☵ | ☶ | ☷ |
卦象 | 天 | 沢 | 火 | 雷 | 風 | 水 | 山 | 地 |
卦名 | 乾 | 兌 | 離 | 震 | 巽 | 坎 | 艮 | 坤 |
順番 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
方位 | 北西 | 西 | 南 | 東 | 南東 | 北 | 北東 | 南西 |
九宮 | 六白 | 七赤 | 九紫 | 三碧 | 四緑 | 一白 | 八白 | 二黒 |
人 | 父 社長 | 少女 | 中女 | 長男 | 長女 | 中男 | 少男 | 母 社員 |
卦徳 | 健,剛 尊,施 | 喜悦 出,口 | 離合 明,麗 | 動,進 騒,驚 | 入 随う | 陥,悩 | 止 変化 | 順 吝,卑 |
易卦解釈
「沢山咸」は、若い男性(山(☶))が若い女性(沢(☱))にアプローチする形で、一般的に「恋愛」の意になります。
まず「雪」は八卦の中のどれにあたるのかを考えます。
雪は、水(☵)が固まる(陽化)状態なので、、水(☵)の下の陰爻を陽爻に変えます。
そうすると沢(☱)になります。沢を雪と解釈します。
沢を雪と解釈すると、「沢山咸」は山に雪が積もっている形になります。
5爻変は、山に降り積もった雪が崩れる(陽爻→陰爻)形で、雪崩と解釈できます。
犠牲者は若い男性(山(☶))でした。
(参考)六十四卦解説サイト「易経ネット」

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盤珪(ばんけい) プロフィール