易は一般的に「胡散臭い」イメージですが、実際には、準科学と言われノーベル物理学受賞者など科学者が研究する分野です。易は森羅万象を最少の文字数で表せるツールで、「時間や空間に組み込まれている情報」を引き出すのに大いに役立ちます。ここでは、易の占例を解説し、易の妙味を少しでもお伝えできればと考えています。
占事
2022年、自転車と自転車が正面衝突し、女性が頭の骨を折り意識不明の重体、男性は逃亡するという痛ましい事故がありました。
立卦
事故の時間に基づき、無筮立卦(筮竹など物を使わず占う)で易と立てると、
「火山旅3爻変」
とでました。
易卦解説
自転車は、八卦の風(右図)でみます。
風の一番下の陰爻が2輪です。
風は「股」という象意がありますが、自転車をこぐと、股を動かします。
自転車の正面衝突は、自転車が向きあう形で、六十四卦の沢風大過(右図)の形になります。
自転車同士が正面衝突すると、自転車前面の3爻と対向自転車の前面の4爻が潰れてなくなります。
沢風大過の3爻、4爻を除くと、下から「陰爻、陽爻、陽爻、陰爻」が残ります。
この「陰爻、陽爻、陽爻、陰爻」は「火山旅の2爻、3爻、4爻、5爻」に現われています。
つまり、火山旅は自転車の正面衝突を含んでいる六十四卦であることが分かります。
続いて、「3爻変」について解説します。
火山旅の下卦は山(右図)です。山は「止まる」という象意があります。
山を下から上に昇っていくと、一番上の陽爻が壁になって、行き止まりになります。
3爻変は、一番上の陽爻が陰爻に変わることですが、これは「止まるべきところを強引に進む」とか「止まって救護すべきを止まらず逃走する」ことを表しています。
つまり、逃亡した男は、道を譲るか止まるべき立場であったのにも関わらず、止まらず強引に進んで事故を起こし、救護せず逃げたと易は告げています。
(参考)六十四卦解説の他サイト「易経ネット」
最後までお読みいただきありがとうございました。
筆者 盤珪(ばんけい)
プロフィール