易は一般的に「胡散臭い」イメージですが、実際には、準科学と言われノーベル物理学受賞者など科学者が研究する分野です。易は森羅万象を最少の文字数で表せるツールで、「時間や空間に組み込まれている情報」を引き出すのに大いに役立ちます。ここでは、易の占例を解説し、易の妙味を少しでもお伝えできればと考えています。
占事
自宅で運転免許証を紛失し、数ヶ月間、見つかりませんでしたが、あるとき、ふと目にした黒い布袋のジッパーを開けてみると、その中に運転免許証が入っていました。
立卦
発見した時間をもとに、無筮立卦にて易と立てると、「火雷噬嗑 上爻」とでました。
易卦解釈
(1)一般的な見方
はじめに「山雷頤」という卦を説明します。
上卦の「山」は止まる、下卦の「雷」は動くです。
これは上卦を動かぬ上顎、下卦を動く下顎とみて、口の象意です。
次に「火雷噬嗑」の卦の形をご覧ください。
これは「山雷頤」の4爻を陰爻から陽爻に変更した形で、この4爻が「口の中に何か詰まっているもの」に見えます。
物が詰まった状態なので「邪魔が入る、邪魔がある」、また詰まったものをかみ砕くので「人を断罪、刑罰する」といった意になります。
(2)想像力を働かせた見方
「山雷頤」は、外側の初爻と上爻が陽爻で、中がすべて陰爻です。
これは密閉されている空箱で、中に何も入っていない状態とみます。
「火雷噬嗑」の4爻(陽爻)を失せ物とみなすと、密閉された箱に失せ物が入っている状態を表しています。
「変爻である上爻」を陽爻から陰爻に変えることは、箱の上蓋が開くことを意味します。
箱の中が見えるようになり、今回、中にある失せ物(4爻)が発見できました。