吉方位は本当に「吉」なのか、実際は「凶」かも?【奇門遁甲】

方位術

最近、運気を上げようと占術を活用する人が増えています。
特に人気なのは、風水を使って家の間取りを整えたり、吉方位に出かけたりする方法です。これらの方法はどちらも方位が関係しています。

しかし、ここで一つ重要なことを見落としてはいけません。
それは、その「吉方位」が本当に吉であるかどうかということです。

古代中国で生まれた奇門遁甲は、方位の吉凶を判断するための「秘伝の兵法」として知られており、その知識は書物に残されず、秘密裏に伝えられてきました。
さらに、真の技術を隠すために、あえて偽術が流布された歴史的背景があるため、私たちが真の伝統的知識に触れる機会は非常に限られています。

ここでは、なぜ奇門遁甲が最高の方位術とされながらも秘密にされ、偽術が多く存在するのか、その歴史的・文化的な背景を解説します。

奇門遁甲とは

概要

奇門遁甲は、中国古代から伝わる高度な占術の一つで、戦術や戦略、吉凶の判断、運勢の予測に用いられてきました。特に戦場での活用が著しく、優れた軍事戦略として名を馳せた秘伝の兵法です。

方位に関する記載が乏しい

唐代の兵書『神機制敵太白陰経』の「巻九遁甲」は、現存する最古の奇門遁甲に関する文献であり、奇門遁甲の基本概念や方法を伝える重要な資料です。しかし、この文献は占術書であり、狭義の方位術に関する詳細な説明は含まれていません。

 秘された歴史的・文化的背景

奇門遁甲が秘密にされた理由には、以下のような歴史的・文化的背景があります。

戦略的価値の高さ

奇門遁甲は、古代中国において軍事戦略や戦術の重要な要素とされました。この知識を持つことは、戦場での勝利を左右する強力な力となり得ました。そのため、敵に知られることを避けるため、優れた軍師や指導者たちはその知識を極秘にしました。
現代で言えば、極超音速兵器や核兵器の技術のような機密情報に相当します。

権力者による独占

奇門遁甲は、権力者にとって非常に貴重な知識であり、国家運営や軍事において高い影響力を持ちました。そのため、権力者はこの知識を一部の特権階級にのみ許可し、広く一般には公開しませんでした。これは、自らの権力基盤を守るための措置でした。

口伝による伝承

奇門遁甲は、書物に残さず口伝で一子相伝とされてきました。口伝による伝承は、知識が誤って解釈されたり、盗まれたりするリスクを減らす効果がありました。

神秘主義と宗教的要素

奇門遁甲には神秘的な要素や宗教的な背景も含まれていました。古代中国では、特定の知識が「天の意志」や「神々の力」に結びついていると信じられ、それを公開することで天罰を受けることを恐れられていました。

専門家による秘伝の保護

奇門遁甲を扱う専門家たちは、この知識を独自のものとして保持し、自らの地位や影響力を守りました。彼らは知識を家系や特定の集団内に留め、外部への広まりを防ぐことで、専門家としての特権を維持し、他者との差別化を図りました。

偽術の流布

権力者たちは、奇門遁甲の真の技術が広まらないように、意図的に偽術を広めたとされています。
例えば、ある占術書には、中国の文献に「真伝を国宝として秘蔵し、民間に偽術を流布させた」と記されています。
これにより、真の奇門遁甲は一部の人々にしか伝わらず、私たちが触れるのはその偽術であることが多いのです。

まとめ

  • 奇門遁甲は、古くから秘伝とされ、書物に残されることなく、口伝で限られた人々の間でのみ伝えられてきました。
    そのため、私たちが真の伝統的知識に触れる機会は非常に少ないと言えます。
  • また、「一人一派」と言われるほど流派が多いことも、偽術が横行している証拠です。
    現代では奇門遁甲に関する知識が広く公開されていますが、それが真の技術であるかどうかは疑わしいことが多いです。
    吉方位が「真の吉方位」でない可能性を常に念頭に置くべきです。
  • それでは、真の吉方位を使って開運するためにはどうすればよいでしょうか。
    由緒正しい伝統流派であるからといって、必ずしも真伝を持っているとは限りません。
    唯一頼りにできるのは、数多くの事例を通じて方位の吉凶を正しく判断できる方位術かどうかです。
    そのような方位術を持つ占術者を見つけることが、最も確実な方法と言えるでしょう。
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