人生の極意「避凶法」を解説します。避凶の目的は、先天的な命運を悪化させないことです。避凶を勧める理由は、実践すれば確実に凶を避けることができるし、誰でも簡単に実践できることです。ポイントは、「運の悪い時期」、「凶方位」、「凶の人」、凶の心持ち」はすべて凶を引き寄せるので、それらを知って自重することです。
「命運」、「方位」、「対人」、「心」の四方面から、活用する方位術の基礎知識を交えて解説しますので、是非とも実践してください。
なお、「招吉法」は、実際に吉を招くことができるかは占術の真偽によります。偽の占術であれば、かえって凶を招く結果になるので、ハイリスク・ハイリターンの方法と言えます。
凶を避ける原理
避凶方法の根底にある占術上の基本原理を解説します。簡単なことですが、最も重要な原理になります。
【原理❶】凶は凶を引き寄せる
易経に『同声相応じ同気相求む』とあります。主旨は同じもの同士が引き寄せあうということです。吉と吉、凶と凶、運の良い人と運の良い人、運の悪い人と運の悪い人が引き合います。
【原理➋】動かなければ吉凶生ぜず
易経に『吉凶悔吝は動に生ずる者なり』とあります。主旨は吉凶は動より生じるということです。裏を返せば、動かなければ、吉凶は生じないということになります。
【原理❸】「初めのとき」が命運を決める
人の命運は生まれたときの生年月日時で判断しますが、他人との関係性を見る場合、人の生年月日時にあたる「初めて会ったとき」の年月日時で判断します。占術では「初めてのとき」が最重視されます。
避凶法 命運編
避凶方法
運の悪い時期に、①「転職」「結婚目的の出会い」など長期間続くこと、②「不動産購入」「投資」「新規大型取引」など金額が大きいことを新たに始めるのを見送ることです。
(避凶原理❶➋❸)
運の悪い時期は、「主運を示す命宮」が、年または月で、五黄殺または暗剣殺になる時期」をいいます。
以下、「運の悪い時期」を知るために必要な占術用語を解説します。
【占術解説】命宮とは
命宮とは、「生月の九宮盤で生年の九宮が入る宮」で、主運を示します。
宮とは、方位の別名です。
南が離宮、南東が巽宮、東が震宮、北東が艮宮、南西が坤宮、西が兌宮、北西が乾宮、北が坎宮、中央が中宮と呼びます。
巽宮 南東 | 離宮 南 | 坤宮 南西 |
震宮 東 | 中宮 中央 | 兌宮 西 |
艮宮 北東 | 坎宮 北 | 乾宮 北西 |
命宮特徴表
命 宮 | 主な特徴 |
---|
離 宮 | 親縁・夫縁が薄い傾向、働き者、作家や弁護士など文章に関わる仕事に向く |
巽 宮 | 動植物好き、子縁が薄い傾向、医者・獣医や商売に向く |
震 宮 | じっとしていられない、スポーツ・自動車好き、歌手など声を出すのに向く |
艮 宮 | 宗教や占いに関心をもつ傾向、欲深い、建築や工業など物作りに向く |
坤 宮 | おだやか、職業が安定しない傾向、倹約傾向が強い |
兌 宮 | 整理整頓できる、短気な面がある、食べ物にこだわる傾向 |
乾 宮 | 長に向く、自説を通す傾向、女性は結婚が遅いまたは未婚の傾向がある、政治家が多い |
坎 宮 | 頑固な性格、妻縁が薄い傾向、芸能指向、音楽特に楽器を使う職業に向く |
中 宮 | 身宮(生日盤で生年九宮が入る宮)を命宮と代替 |
【占術解説】九宮とは
九宮(九星気学の九星)とは、一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白土星、九紫火星のことです。
九宮盤とは各九宮ほ配置図で右図の通りです。
定位とは、各九宮の定位置で五黄土星の九宮盤になります。一白水星は北、二黒土星は南西、三碧木星は東、四緑木星は南東、五黄土星は中央、六白金星は北西、七赤金星は西、八白土星は北東、九紫火星は南が定位になります。
【占術解説】五黄殺、暗剣殺とは
五黄殺とは、九宮盤で五黄土星を表す数字の5が入る方位で、自ら凶を招きやすい凶方位です。
暗剣殺とは、五黄殺の反対方位で、他人から凶を受けやすい凶方位です。
例えば、一白水星の九宮盤では、南に五黄土星(数字5)が入っているので、南が五黄殺の方位になり、南の反対方位である北が暗剣殺の方位になります。
【具体例】命宮の出し方
2022年5月生まれの人の命宮を具体的に出します。
- 年月の干支九宮を調べる
暦(サイト「こよみのページ」)を調べると、
2022年の干支九宮は「壬寅五黄土星」です。
※年の区分は「立春」から「翌年の立春」まで
2022年5月の干支九宮は「乙巳八白土星」です。
※月の区分は「月初に来る二十四節季」から「翌月初に来る二十四節季」まで
- 生月の九宮盤を調べる
生月の2022年5月の九宮は「八白土星」です。
八白土星の九宮盤(数字8が中央に配置されている盤)を九宮盤の中から選択します。
- 生年の九宮が生月の九宮盤のどの宮にあるか調べる
生年の九宮は「五黄土星」です。
生月の八白土星の九宮盤で、生年の九宮の五黄土星(数字5)がどこにあるか調べます。
南西に五黄がはいっています。
南西は坤宮ですので、命宮は坤宮になります。
- 別表「命宮特徴表」で命宮の特徴が合っているかチェックする
導き出した命宮が「命宮特徴表」の特徴に合致しているかチェックしてください。
横や反対の命宮にそれている人が稀にいます。
【具体例】命宮の五黄殺・暗剣殺の出し方
2022年5月生まれの命宮「坤宮」の人は、2023年2月に命宮が五黄殺または暗剣殺になるか調べてみます。
年の2023年は「四緑木星」の年になります。四緑木星の九宮盤をみると、北西に五黄土星が入っているので、北西の乾宮が五黄殺、反対の南東の巽宮が暗剣殺になります。
2023年2月は「八白土星」の月になります。八白土星の九宮盤をみると、南西に五黄土星が入っているので、南西の坤宮は五黄殺、反対の北東の艮宮は暗剣殺になります。
以上より、坤宮の人は、2023年2月 命宮が五黄殺になることが分かりました。
避凶法 方位編
避凶方法
年方位、月方位のいずれかで、五黄殺または暗剣殺の方位に転居しないことです。(避凶原理➋)
凶方位とは、五黄殺または暗剣殺の方位です。
この二つの凶方位を避ければ、大過を免れることができます。
盤珪
九星気学の「歳破」「月破」「本命殺」「本命的殺」、奇門遁甲の八門の「凶門」「凶格」などの方位については、一般的に凶方位とされていますが、実例データで検証すると、吉方位であることも多々あり、それ単独で凶方位とみなすことはできないと考えています。
避凶方法
年方位、月方位のいずれかで、五黄殺または暗剣殺の方位にある人、物に初めて関わる場合、その人、物は凶ですので、長期間続くことや金額が大きいことで関わらないことです。
(避凶原理❶➋❸)
盤珪
凶方位は、年方位と月方位で避ければ十分です。
日方位と時方位は作用期間が短いからです。
【占術解説】年盤、月盤、日盤、時盤の作用期間
暦の干支九宮は180(十干、十二支、九宮の最小公倍数)周期です。
年月日時の作用期間は、理論上、
年:180年
月:15年(180ヶ月)
日:180日
時:15日(1刻(=2時間)×180=360時間)
となります。
なお、月盤、日盤、時盤の作用期間については、実践経験や実例データから判断すると、まず間違いないと思います。
避凶法 対人編
避凶方法
運の悪い人は凶の人なので、できるだけ関わらないことです。(避凶原理❶)
脳科学者 中野信子氏は『運の悪さは移るんですよ』とおっしゃっています。
避凶原理❶の「凶は凶を引き寄せる」と同じ主旨です。
この点について方位術の実例があるので紹介します。
飛行機が札幌から吉方位に向かって離陸したのですが、東北地方に墜落するという惨劇がありました。なぜ墜落したのか詳しく調べてみると、乗客の大凡2/3が「数日前に最悪の凶方位に出発、帰路に向かう団体旅行客」で占められていました。 団体旅行客の凶が飛行機の乗客乗員に感電した形です。
登山家が凶方位で日本を出発したのにも関わらずエベレスト登頂に成功した実例があります。詳しく調べてみると、この登山家は、現地で有名な海外登山家一行にたまたま会って、その一行と一緒に登ることになったそうです。 これは「吉の感電」の例です。
避凶法 心編
避凶方法
常に不動心を保つことです。これは極意です。(避凶原理❶)
不動心を保つことが、なぜ避凶につながるのか解説します。
まず、不動心とは何かについて、「不動智神妙録」(沢庵和尚)の一節が一番分かりやすいので紹介します。以下抜粋です。
諸仏不動智と申す事、不動とは、うごかずという文字にて候。智は智慧の智にて候。不動と申し候ても、石や木のように、無性なる義理にてはなく候。向うへも、左へも、右へも、十方八方へ、心は動きたきように動きながら、卒度も止まらぬ心を不動智と申し候。
不動心は、右図の菊紋を浮かべると理解しやすいと思います。
心が花芯にあるのが不動心で、何かに囚われずに自由に動け、すべてことに即反応できる状態にあります。
一方、心が花びらにあるのが動心で、怒りや不安など何かに囚われて心が自由に動けなくなっている状態にあります。
次に不動心がなぜ凶を避けるのかを解説します。
これは、避凶原理❶と➋が根拠になります。
凶の心は、避凶原理❶「凶は凶を引き寄せる」の通り、凶を引き寄せます。
不動心は、無心で凶の心ではありません。ですので凶を引き寄せることはないです。
避凶原理➋「動かなければ吉凶生ぜず」の応用で、「心が動くと吉凶が生じる」ということになります。
心が動くときとは、通常、焦り、欲、不安、怒りなど凶の心になっているときです。
まさに『一心生ぜざれば、万法咎無し』(臨済録)です。
しかし現実では、不安などで不動心が保つことができないときが多々あります。
このようなときは、どうしたらよいでしょうか。
その対処方法について、盤珪禅師の説法が参考になるので紹介します。
以下、「盤珪禅師語録」からの抜粋です。
俗士問、「起こる念を払えば、また後より起こり、次々、止むことなし。この念、どのようにおさめるのですか?」
盤珪禅師日、「起こる念を払えば、また後より起こり、止むことなし。血を洗うが如し。はじめの血は落ちても、洗う血にて穢れる。いつまで洗っても穢れは退かず。この心は、もとより不生不滅にして迷いはないものである、人はこのことを知らず、『念をあるもの』と思い、生死流転するものなり。念は仮想(実体なし)と知って、取らず嫌わず、起こるまま止むままにすべし。」
私たちは、不安になると、「悲観的になってはいけない」とか「忘れよう」などと考えますが、これはまさに「血で血を洗う」ようなもので、不安は一切おさまらないということです。
不安などの念はもともと実体がないものと知って、生じるまま止むままにすれば、そのうちに念はおさまるということです。
避凶方法
不安などで不動心を保てなくなった場合の対処法は、不安の念が生じるまま止むままにして、それに囚われないことです。
盤珪