「これだけ覚えれば易を楽しめる」というテーマを3回に分けて解説します。
今回は最後の易卦判断編です。
1.基礎知識編
2.立卦方法編
3.易卦判断編
易の判断の基本
- 「下から上へ進む」とみる
下卦から上卦へ、初爻から二爻、三爻…と下から上に進むと見ます。 - 卦主の視点からみる
八卦の形を決める中心となる爻を卦主という。
例えば、風☴は、一番下の唯一の陰爻が形を見めているので、卦主になります。
卦主から、八卦や六十四卦の意を汲み取ります。 - 固有名称から連想する
八卦や六十四卦には、それぞれ固有の名称があります。その固有名称からその意を汲み取ります。 - 形から想像する
八卦や六十四卦の形からその意を汲み取ります。
具体的な判断方法
易経を見て判断する
最も一般的な方法ですが、易経や易経の解説本をみて、易卦を判断します。
なお、推薦本は『易』(本田著、朝日選書)です。
想像力を働かせて判断する
私の場合、「易経」を参考にしながら、想像力を働かせて判断します。
このやり方のコツを掴めば、易経を読破しなくても易を楽しめます。
想像力を働かせるとはどうすることなのか、具体的に説明します。
天風姤という六十四卦があります。上卦が天、下卦が風です。初爻が唯一陰爻の形です。
一般的な解釈は「女性を娶るなかれ」です。
女性(初爻の陰爻)がこれから次々と男性(2爻,3爻,4爻,5爻、上爻の陽爻)に出会っていく形なので、男性はこのような女性と結婚してはいけないという解釈になります。
次に想像力を働かせて解釈します。
天の下で風が吹く形ですが、これが吉なのか凶なのか問題です。形を見ると、女性(初爻の陰爻)一人で、上の多くの男性(陽爻)を支えています。しかし女性一人では支えきれないので、危険含みの凶とみます。
風が吹くのが危険含みとは、突風や台風などが想定されます。特に船舶、飛行機、登山などには要注意の卦と判断します。
易を続けると、実例データが蓄積され、それに伴って想像力の働かせ方も向上していきます。
初心者におすすめの易の実践方法
「これだけ覚えれば易を楽しめる」というテーマについて、3編(前編、中編、最終編)に分けて解説してきました。これだけで易を実践できますので、初心者におすすめの実践方法を紹介します。
- 身近な出来事など気になったことについて、好みの立卦方法で易を立てる。
- 占った出来事の事象から、なぜこの「易卦」が出たのか想像力を働かせて考える。
- 上記2で納得できる解釈ができなかったら、別の立卦方法で易を立て、再度、占った出来事の事象から、なぜこの「易卦」が出たのか想像力を働かせて考える。
- 納得できる解釈ができたら、その事例データを蓄積する。
- 蓄積した事例データから六十四卦の卦意はどういうことか大まかに掴む。
- 六十四卦の卦意を大まかに掴んだら、上記2と反対で、易卦から占った事象を判断できるようにする。
今後は、易占例にて、想像力を働かせた易卦判断方法を紹介していきます。
盤珪
最後までお読みいただきありがとうございました。
盤珪(ばんけい) プロフィール