方位術は「一人一派」と言われるほど、種類や流派が多く、吉凶の判断方法もさまざまです。
特定の方位に移動した場合、吉事や凶事が実際に起こるため、結果として吉か凶かは一つに定まります。
しかし、問題となるのは、どの方位術を用いても同じ結果が得られるわけではない点です。
さらに、ある事例では正しい判断ができても、別の事例では誤った結果になることが非常に多いです。
実例を増やして検証を進めるうちに、公開されているどの占術や流派の手法でも、常に正確な吉凶判断を行える方位術は存在しないことに気付きます。
結論として、真の方位術が存在したとしても、それを知る機会はほとんどありません。
そのため、さまざまな占術や流派の要素を組み合わせ、自分自身で正確な吉凶判断を行う方法を見つけ出す必要があるということが分かりました。
ここでは、真の方位術を見つけ出すために、私が行った実例検証方法を紹介します。
検証方法
効率的に複数の方位術を検証できる仕組みを整えることが重要です。
これにより、より多くの実例を確認し、各方位術の結果を一度に比較できます。
実例収集
私が主に収集した実例は以下の通りです:
- 自身または相談者の経験
- ウィキペディアなどで入手できる事故や著名人のデータ
- ニュース報道などで必要なデータが入手できる事故の情報
検証ツール
私はExcelのワークシートを活用しました。年月日時と方位を入力すると、複数の方位術に基づき、年・月・日・時それぞれの吉凶を自動的に判断できるシステムを構築しました。
ワークシートに組み入れた方位術は、活盤奇門遁甲、透派奇門遁甲、九星気学、干支九星、金函玉鏡、中国式(天三門・地私門・地四戸)です。
同じ方位術でも異なる判断方法がある場合は、それぞれ分けて検証しています。
以下のワークシートは実際に私が鑑定で使用するものです。
左側が「入力シート」
右側が奇門遁甲の「吉凶判断結果シート」(奥秘の易卦は赤と青で色塗りして隠しています)
です。
方位術の評価方法
的中率による評価
実例検証の結果、吉凶の的中率が
90%未満の場合は「偽術」
90%以上の場合は「真術候補」
と評価しました。
なお、公開されている方位術の的中率はおおむね60%程度です。
例外条件の検討
「真術候補」が出てきた場合、誤判断が生じた事例を集め、それに共通する要素があるかどうかを検討します。
共通点が見つかれば、それを「例外条件」として認定し、的中とみなします。
真術の認定
例外条件を含めて的中率が100%となる方位術を「真術」と認定します。
ただし、この認定には最低100件以上の実例検証が必要です。
なお、盤珪流奇門遁甲はこの条件を満たしています。
まとめ
- 方位術や風水などの開運術には偽術が多いため、盲信するのではなく、実例を通じた検証が不可欠です。
占術の真偽を見極めるためには、効率的な検証方法と多くの実例の収集が必要であり、これには膨大な時間と労力を要します。 - 実例に基づいた真の開運術を見つけることができれば、それは占術者にとって貴重な「奥秘」となり、大きな財産となります。
どれほど忙しくても、占術者はこの実例検証の研究を怠らず続けるべきです。 - 開運術に限らず、命術でも同様に実例検証を行えば、実践に活用できる知識を選別できるので、鑑定の質が確実に上がります。
方位鑑定士
盤珪(ばんけい)
プロフィール