不動心は、凶を引き寄せません! これは極意です。
その理由について解説します。
不動心とは
不動心とは何か、沢庵和尚は『不動智神妙録』で次のように述べています。
『諸仏不動智と申す事、不動とは、うごかずという文字にて候。智は智慧の智にて候。不動と申し候ても、石や木のように、無性なる義理にてはなく候。向うへも、左へも、右へも、十方八方へ、心は動きたきように動きながら、卒度も止まらぬ心を不動智と申し候。』
「不動心」とは、何かに執着したりせず、自由に動ける(働ける)心、逆に「動心」とは、何かに執着し自由に動けなくなる心ということでしょうか。
不動心が凶を引き寄せない理由
- 『吉凶悔吝は動に生ずる者なり』(易経 周易繋辞下傳)
これを反対に解釈すると
心を動かさなければ、吉凶悔吝は生じない
ことになります。
- 『一心生ぜざれば、万法咎無し』(臨済録)
一心が生じるとは、執着心など「心が動く」ことです。
禅においても、心を動かさなければ、万法咎なし(凶なし)です。
- 易の六十四卦 「泰卦」と「否卦」
泰卦は、上卦がすべて陰爻(点線)、下卦がすべて陽爻(実線)です。
上卦を頭、下卦を腹とみると、頭は執着がなく四方八方に自由に動ける不動心の状態で、下卦は臍下丹田に気を充実させている状態を表しており、卦意は「安泰」で吉。
否卦は、上卦がすべて陽爻、下卦がすべて陰爻で、泰卦と上下がひっくり返った形。
頭は何かに執着して他の事に気が回らず、気は分散し腹を据えていない状態を表しており、卦意は「塞がり」で凶。
盤珪
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盤珪(ばんけい) プロフィール