易は一般的に「胡散臭い」イメージですが、実際には、準科学と言われノーベル物理学受賞者など科学者が研究する分野です。易は森羅万象を最少の文字数で表せるツールで、「時間や空間に組み込まれている情報」を引き出すのに大いに役立ちます。ここでは、易の占例を解説し、易の妙味を少しでもお伝えできればと考えています。
占事
2020年、加害者の乗用車が反対車線の被害者乗用車と正面衝突し、加害者の運転手と被害者の同乗者(女性)が死亡するという痛ましい事故が発生。
立卦
無筮立卦(筮竹など物を使わず占う)で易と立てると、
「沢地萃 2爻変」
とでました。
易卦解釈
(1)一般的な判断
沢地萃は、地上に水がある形で、砂漠のオアシスのように人や動物が集まって来ます。
一般的な見方は「集まる」という卦意です。
(2)想像力を働かせた判断
水(☵)を上から見ると、4本のタイヤと胴体で、自動車の形をしています。
水(☵)は自動車も表します。
自動車を2台重ねると、「坎為水」という卦になります。
「坎為水」は、自動車が2台向かい合った形とみます。
3爻(下から数えて3番目の陰爻(点線))が被害者側の自動車のフロント部分、
4爻(下から数えて4番目の陰爻)が加害者側の自動車のフロント部分になります。
正面衝突すると、フロント部分は双方押し潰されるので、3爻と4爻は消滅します。
坎為水の3爻4爻を除いた形「陰爻・陽爻・陽爻・陰爻」は、
沢地萃の「3爻(陰爻)・4爻(陽爻)・5爻(陽爻)・上爻(陰爻)」の形と一致します。
つまり、自動車が正面衝突して双方に被害者がでる形を示しています。
また、沢地萃の下卦は、八卦の「地」で、道路を表しています。
以上より、「沢地萃」は、道路で自動車が正面衝突して双方に被害者が出る卦意と解釈することができます。
次に2爻変です。
下卦の「地」は、母や女性を表します。
地の卦主(卦の形を決める中心的な爻)は真ん中の2爻です。
今回、2爻が変爻することは、女性に被害が及ぶことを示しています。
実際に被害者側の同乗者の女性が死亡しています。