吉方位転居は、年盤・月盤・日盤・時盤のうち、どの盤の方位作用を受けるのかを解説【盤珪流奇門遁甲】

方位術

本記事は、やや専門的な方位術の解説になります。

方位盤には、年盤、月盤、日盤、時盤の四盤がありますが、「転居の方位作用を受ける」とする方位盤は、方位術の種類や流派によって異なっています。移動という行為が同じにも関わらず、判断する方位盤が異なるのは理屈にあいません。ここでは、6回の転居経験を含む実例データに基づき、転居で用いる方位盤について解説します。

流派別の転居に用いる方位盤

年盤、月盤併用

九星気学では、年盤と月盤の両方を用いて両方が吉方位かどうかをみるのが主流です。

日盤

転居に日方位を主体に判断する方位鑑定士がいます。

時盤

風水の影響を強く受けている奇門遁甲の流派があり、時盤を用います。この場合の方位は「旧宅から新宅の方位」ではなく、「新宅の座の方位(玄関から新宅に入る方位)」を使います。

月盤

日本の奇門遁甲で最もオーソドックスな流派は月盤のみを用います。年盤は国家用で個人には用いません。

年盤または月盤

奇門遁甲に年方位または月方位のどちらか一方を用いる流派があります。どちらを用いるかは新宅への居付き方で決まります。

盤珪
盤珪

盤珪流奇門遁甲は、実例データを踏まえて「年盤または月盤」を採用しています。

方位盤の作用期間

方位の作用期間に関しては、「十干と十二支の組合せ」の60(最小公倍数)周期説が一般的ですが、盤珪流奇門遁甲の場合、実践経験を含む実例データに基づき「十干、十二支、九宮(九星)の組合せ」の180(最小公倍数)周期説を採用しています。180周期説の場合、年月日時の作用期間は、理論上、右の通りとなります。

時盤360時間(=1刻2時間×180)
日盤180日
月盤180ヶ月(15年)
年盤180年 ※実例では未確認

「方位作用を及ぼす」方位盤の決まり方

方位盤の決定原理

方位盤は時盤、日盤、月盤、年盤の4盤があります。人が移動したとき、どの方位盤の方位作用を受けるのか、その決まり方の原理について解説します。

人は体内時計をもっています
体内時計は自宅にいるときは一般時計(自然時)と同じよう動いていますが、外出すると、体内時計は「外出時の年月日時」で止まります。このため、外出時は体内時計一般時計より遅れることになります。
帰宅すると、体内時計が再び動きはじめます。このとき一般時計が示す帰宅の年月日時」と体内時計の「外出時の年月日時」が非連続になると方位盤のスイッチが入ります

具体例

時盤を例にとって説明します。
巳刻(午前9時~午前11時)外出し、未刻(午後1時~午後3時)帰宅した場合、体内時計は出発時間の巳刻で、一般時計は帰宅時間の未刻になります。巳刻の次は午刻ですので、巳刻と未刻は非連続になります。非連続になるので、巳刻の時盤の方位のスイッチが入ることになります。
同様に、日方位の場合は2日間外泊すると、外出日の日盤の方位のスイッチが入ることになります。

方位盤を決める移動行動

年月日時の方位盤のうちどの方位盤の方位作用を受けるかは、理論上、次の移動行動により決まります。

時盤日盤月盤年盤
2刻(4時間)以上外出2日以上外泊2ヶ月以上連泊毎月1回以上外泊、これを1年間継続

時盤日盤年盤については、移動時移動日移動年の方位盤に決まり、選択の余地はありません。

月盤については、移動月だけでなく、理論上向こう1年間の月盤を選択することができます。
ただ、実践経験上では、移動月の翌々月の月盤までしか検証できていません。

具体例

移動月の翌々月の月盤の方位を用いる場合、翌月に1回以上外泊、翌々月の中旬に1回外泊しそれ以降60日間以上外泊せずにいれば、翌々月の月盤の方位作用を受けることになります。

年月日時の各盤のスイッチの入り方は、理論上、次の通りになります。

転居に関わる方位盤

地球自転に関わる「時盤日盤」は干支九宮(九星気学の九星)の組合せに周期性があり、地球公転に関わる「月盤年盤」も同様の周期性があります。
しかし「日盤月盤」には同様の周期性がありません。
したがって、転居に関わる方位盤は「時盤日盤」か「月盤年盤」のどちらかになります。

時盤と日盤

転居は「旧宅に戻らない」「60日以上、新宅に泊る」ので、時盤日盤のスイッチは入りません。つまり、時盤、日盤の方位作用を受けません。

月盤と年盤

転居は月盤と年盤が関わります。どちらの方位作用を受けるかは、転居先への居付き方によって、理論上、下表の通り決まります。

なお、私は、月盤利用の転居と年盤利用の転居をそれぞれ経験しましたが、月盤利用の場合は、年盤の方位作用を受けなかったですし、年盤利用の場合も、月盤の方位作用を受けませんでした。
ですので、転居は、月盤か年盤のどちらか一方のみの方位作用を受けるという説を採用しております。

 年方位転居月方位転居
転居先への居付き方転居日以降30日以内毎に必ず外泊し、それを1年間継続すると、転居日の属する年方位のスイッチが入る。       転居日から60日以上連泊、この間、外泊しないと、転居日の属する月方位のスイッチが入る。

吉方位効果

方位術の最高峰「奇門遁甲きもんとんこう」には5つの構成要素(八門はちもん八神はっしん九星きゅうせい九宮くぐう十干じゅっかん)があり、これらの各構成要素の象意しょうい構成要素が持つ意味、事象、現象などのこと)が方位効果として現れます。
実践経験や実例データから判断すると、最も強く象意が現れるのは九宮くぐう(九星気学の九星)になります。

九宮の象意は、下表の「転居する方位(定位九宮)の象意」と「転居方位に入る九宮の象意」があります。
吉方位効果は、「転居方位に入る九宮の象意」の吉卦象意が現れることが多いです。

【占術解説】方位作用の象意
方位定位方位の象意
一白悩み、問題、苦労、病気
腎臓、陰部
南西二黒労働、順う、職業、土地、妻、母、胃腸、皮膚、右手・右肩
三碧進む、発展、驚く、怒る、音、歌手、
スポーツ、肝臓
南東四緑入る、整う、恋愛、商売、長女、医者、左手・左肩、股
中央五黄腐敗、破壊
北西六白統べる、政治、金銭、父、夫、頭、右足
西七赤悦ぶ、出る、欠ける、金銭、食、少女、口、肺
北東八白止る、変化、建物、工業、青年、左足、腰
九紫離合、顕れる、文書、作家、画家、目、心臓
南に転居すると、吉方位の場合、吉の人が寄って来る一方、凶の人が去って行ったりする象意が現れます。

九宮
吉卦象意
九宮
凶卦象意

次第に良化、
問題解決
訴訟、困難、
波乱万丈

進展、親和万事閉塞、剥奪

病気回復、柔順突発的災い、悪化

昇進災い、苦労

なし自ら凶を招く

盛運、安泰破れ、障害多い

良縁、金銭運UP危険、損失、
色情問題

恋愛結婚、
病気回復
悪化、困難

良きパートナー破れ、死傷
転居する方位に九紫火星が入ると、吉卦の場合、良きパートナーを得る象意が現れたりします。
【占術解説】九宮とは

九宮くぐう九星気学きゅうせいきがく九星きゅうせい)とは、一白水星いっぱくすいせい二黒土星じこくどせい三碧木星さんぺきもくせい四緑木星しろくもくせい五黄土星ごおうどせい六白金星ろっぱくきんせい七赤金星しちせききんせい八白土星はっぱくどせい九紫火星きゅうしかせいのことです。

九宮盤くぐうばんとは各九宮ほ配置図で右図の通りです。

定位じょういとは、各九宮の定位置五黄土星の九宮盤になります。一白水星二黒土星南西三碧木星四緑木星南東五黄土星中央六白金星北西七赤金星西八白土星北東九紫火星定位になります。

吉方位効果が現れる時期

吉方位効果は、転居後、36ヶ月72ヶ月90ヶ月108ヶ月144ヶ月経過の前後に現われることが多いです。
最も強い作用が現れるのは、実践経験上、72ヶ月90ヶ月経過の前後になります。

なお、吉方位効果が現れる時期は、実践経験上、月盤、年盤ともにほぼ同じ時期でした。

盤珪
盤珪

方位作用は、「転居時の干支九宮」と「流年の時の干支九宮」の組合せが(十干、十二支、九宮のうち)2つが一致するときに現れやすいです。
「十二支と九宮」の組合せは最小公倍数の36ヶ月毎、「十干と九宮」の組合せは同90ヶ月になります。
3つすべて一致する180ヶ月時点で作用期間は終了となります。

盤珪
盤珪

最後までお読みいただきありがとうございました。
盤珪(ばんけい) プロフィール

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